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クロスオーバーSUV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 初代ホンダ CR-V BMW・X5クロスオーバーSUV (単に「クロスオーバー (Crossover)」、もしくは、CUV; Crossover Utility Vehicle)は、自動車のカテゴリのひとつ。
フレーム構造を持つことが多い本格的なSUVと比べて、オフロードでの走行性能や耐久性では劣るものの、1)舗装道路での乗り心地に優れる、2)比較的軽量である、3)燃費に優れる、などの利点を持つ傾向があり、今日ではSUVの主流となっている。現在、大型のものから小型のもの、高級車から大衆車まで、各国の自動車メーカーから多様なクロスオーバーSUVが販売されている。
目次
1 特徴 2 クロスオーバーという概念の起こり 3 歴史 3.1 始祖 3.2 SUV全盛の米国 3.3 RV全盛時代の日本 3.3.1 スズキ エスクードとトヨタ RAV4 3.4 新しいタイプのSUV 米国 3.5 日本でのSUVカテゴリーとクロスオーバー・カテゴリーの普及 3.6 欧州メーカーの米国市場攻略 4 米国でのクラス分け 5 日本の現状 6 代表的な車種一覧 7 脚注・出典 8 関連項目 この記事には『独自研究』に基づいた記述が含まれているおそれがあります。これを解消するために独自研究は載せないを確認した上で、ある情報の根拠だけではなく解釈、評価、分析、総合の根拠となる出典を示してください(テンプレート)。
ピックアップトラック出自のSUVと較べ、モノコックボディーの採用によりNVH設計が楽であること、走りの面でも、乗用車系のシャーシに起因して、特にFRレイアウトがベースのクルマでは、オンロードでのパフォーマンスが高いこともアドバンテージとなっている。
米国ではクロスオーバーSUVは乗用車に含まれるカテゴリー名であり、税区分や保険区分上もトラックであるSUVとは異なり、区別されている。
そこまでしてオフローダーやSUVと差別化する理由は、上級イメージを市場に浸透させ、販売価格を高めに設定できるため。もともと乗用車との部品の共用で、開発、製造コストを抑えているため、収益性は非常に高くなり、これがメーカーにとっての旨みとなる。
メカニズムを共有する兄弟SUVがある場合でも、各メーカー内でのCUVの企画とスタイリングは高級車部門が担当しているケースが多い。販売面でもイメージを保つことには留意されており、たとえばレクサス・RXとトヨタ・ハイランダーを同じショールームに置くことは、契約上禁止されている。このような契約は、ブランド戦略上の意図によるものであり、この2車は何れもカムリをベースとするクロスオーバーSUVであり、機械的には基本を同一とする。
SUVでは2輪駆動の比率が増える傾向にあるが、付加価値が重要なCUVには今のところ2駆の設定は無く、エアサスなどを利用した車高調整機能を装備するものが多く、収益性向上に貢献している。
一方、操縦安定性やハンドリング、ロードホールディング、NVH、燃費性能には、一般的に優れる。ドイツ車では、性能の向上を目的とした「専用に近い車両プラットフォーム」を持つものが多い。
高級CUVは、北米市場好みのスポーティーで大胆なスタイルとされることが多く、華美な、あるいはクラシカルなデザインが施されている。
クロスオーバーSUVは CUV ( Crossover Utility Vehicle ) またはCrossをXと表記してXUVとも表記される。「クロスオーバー・ビークル ( Crossover Vehicle ) 」という考え方が米国で1990年後半に形作られる。これは「異なる種別の車を混ぜ合わせた」という意味で直訳で「クロスオーバー車」ともいわれ、また、英語でも略してCrossoverのみでも使用される。この意味では、車輌製作側の概念上、特にSUVに限らず、多くは試作車として「クロスオーバー・ビークル」が作られていた。これらは『ハイブリッド・ビークル』と呼ばれることもある[1]。その中で市場に最も受け入れられたもの、つまり販売可能なものが「SUVと乗用車とのクロスオーバー車」だった。これがクロスオーバーSUVである。
2006年時点で、米国では「SUV」という用語がすでに30年以上にわたって使用され、カテゴリー用語として定着した一方で、消費者の心をつかむためのマーケティング用語としては陳腐化も起こっている。1990年代末から、SUVに対する安全性への指摘がなされ、SUV批判が起こったが、まだ有識者の間でのみだった。しかし、2003年末から起こったガソリン価格の高騰は1ガロン=2ドルを超え、3ドルに達する。高騰が長引くにつれ、燃費の悪いSUVの販売は落ち込む。SUVブームの中心にあり、ブームを自身で推し進めていた米国の2大メーカー、GM、フォードはこの10年間の収益の軸をSUVにおいていたため、SUVの販売落ち込みは会社の経営に影響した。そのため、特に両社では、SUVのマイナスイメージに引きずられないよう、クロスオーバー系の車両に関わらずマーケティングにおいてSUVを想起させない(思わせない)アプローチがなされはじめている。つまり、SUVという言葉を使わない方向に向かいつつある。
ポルシェが設計に関与、フィアットが生産に協力したフルタイム4WD乗用車。良くできた「実用車」(あくまでも設計であり、品質ではない)であり、CUVとは路線が異なる。 1980年発売のAMC・イーグル ワゴン(米国)
乗用車の皮を被った「Jeep」とも言えるもので、現在のCUVに比べると本格的なオフロードカーである。
1984年頃チェロキー (XJ)のヒットにより、それまでオフローダーに縁の無かった乗用車ユーザーにもSUVが浸透し、基本的なカテゴリーとして認知されるようになった。
チェロキーはフルサイズSUVとは異なり、ビルドインフレームのモノコック構造である。しかしその市場に参入を目論んだGMとフォードは、一から起こすよりは開発が容易で、すぐさま市場投入可能な、コンパクトピックアップベースのフレーム構造としたこと、そして、その点を優遇税制に結びつけ、SUVのフレーム構造をウリにしたことにより、法律上(特に自動車税法上)のSUVの定義が定まっていった。米国の自動車税がトラックでは安価であることから、同じフレーム構造を持つSUVという点を強調し、業界をあげ、政府に働きかけた結果、SUVもトラックとして分類されるようになった。この点が、特に米国において、フレーム構造であるかどうかを重視する考え方のスタート地点となっている。
政治的な面以外でも、フレームの「しなり」を好むユーザーが多く、オフローダーの中にはねじれるフレームもサスペンションやスプリングの一部、と肯定的に捉えている者も多い。
かくして、日本人には線引きが判りづらいSUVとCUVとの違いであるが、米国では、見た目や乗り味といった、商品性と、税制の両面の差が訴求ポイントとなっており、顧客の多くが関心を持つに至った。
1990年代にはSUVは米国で一般カテゴリーとなっていたが、日本では1990年代になっても、まだ「RV」や「オフロード車」といったカテゴリー表記が主流であり、2000年を越える頃まで「SUV」という表記は米国系SUVなどに対して『米国ではSUVというジャンルになる』という紹介や、一部の愛好家向けメディアで使用されるに過ぎなかった。
RVは1980年中頃にはオフロード車のことを指すマーケティング用語として広く使用されていた言葉だったが、80年代後半にワンボックス、90年代になりステーションワゴンがRVの概念に追加され、ようやく1996年はRVという言葉を業界が統計上の公式に認めた年となったばかりであった。日本のマーケティングでは「SUV」など、まだ一般が耳にすることはなかった時代だった。
1994年、ライトクロカンと当時の日本でよばれたカテゴリにトヨタが参入する。それが初代RAV4だった。当時の日本ではRVがブームとなっており、ライトクロカンも戦略上RVカテゴリへ編入された。「RAV」とは「Runnabout Activity Vehicle(ラナバウト・アクティビティ・ビークル)」の略語で、重厚長大な4クロスカントリーカーとは一線を画くクルマであることが車名にも現れている。
一方、RVに与えた影響という観点から見ると、同年1994年はホンダからオデッセイが投入された年であり、多くの日本のメーカーが自社製オデッセイを求めた結果、ミニバンブームへとつながっていく。1990年にはトヨタもエスティマを投入するが、一般にはワンボックスカーととらえられていた。カテゴリとしてのRVはオデッセイの登場により大きく概念を変え、(ホンダ自体は初代オデッセイをミニバンとは決して呼ばなかったが)後にミニバンとよばれる車がRVに組み入れられるほど(のちにはミニバン自体がカテゴリとなる)の影響力であったが、一方のRAV4の登場では、RV市場への影響はそれほどでもなかった。
ライトクロカン自体は1988年のスズキ・エスクードが行きわたっていたことや、ジムニーやロッキーなど、より小型のオフロードカーもあったことで、業界関係者が目を見張る内容の割りに、一般ユーザーには、新しさとしてのインパクトは伝わりづらかった。
初代レクサス RX300トヨタの動向をにらみ、ホンダもシビックをベースとし、日本国内で1995年に発表されていたCR-Vを、米国ホンダの要請で1997年2月に北米投入したが、売れ行きは悪くは無かったものの、RAV4共々サイズが小さいことが影響して、マーケットを席巻するまでに至らなかった。
1997年、トヨタがカムリをベースとして、凡庸な設計ではあるものの、スタイリングや動力性能に優れた高級クロスオーバーSUV、ハリアーを日本市場に投入した。それまで、SUVは高額ではあったものの高級車としては認知されていなかったが、これを機に高級車として市場に受け入れられるようになった。そして1999年にレクサス・RXとして米国に投入されると、ハリアーは大きな反響を呼び、これにてようやくクロスオーバーSUVが、米国で高級車カテゴリとして認知されるようになるきっかけとなった(その点でハリアーはひとつの功績を残したといえる)。この評判を元に、日本市場でもさらなる高級CUVを開発すべくマーケティングに力が入った。レクサス RXの米国での成功は、SUV市場の成り行きを見守っていた欧州高級車メーカー勢をも刺激することになった。
新たな市場が出現したことで、フレーム式シャシを持たないメーカーでも車種展開できる環境が整い、各国からクロスオーバーSUVが続々と登場することとなる。
日本では2000年を過ぎるあたりからSUVをカテゴリとして自動車業界自身がマーケティングに使用するようになった。従来はRVカテゴリにあった「クロスカントリー車輌(オフロード車)」および「ライト・クロカン(軽量オフロード車と乗用車ベースのオフロード風車)」を置き換える用語となった。この時点でもまだ日本ではクロスオーバーというカテゴリはまだ一般に使用されていなかった。一方、自動車ジャーナリズムでもSUVが根付きはじめた2004年頃から、乗用車ベースの車両を米国同様にクロスオーバーと表現するようになってきた。日本では税もふくめてSUVとクロスオーバーSUVを法律上明確にカテゴライズする必要性がないこともあり、メーカーの表現が変わるのはこれからと見られる。
VW・トゥアレグ米国でのSUVブームと、それに続くクロスオーバーブームを見た欧州勢も、同様のアプローチを行い、2000年にはBMWは米国でデザインさたX5(E39 5シリーズベース)を北米へ投入。これは、1994年にローバーを買収したことで、レンジローバーの技術とマーケットに触れたことも、強い動機となっている(ランドローバーは後にフォードに売却された)。
これまでSUVを手がけたことが無かったBMWであったが、X5はその驚異的な走りから、瞬く間に各メーカーのベンチマークとなった。
より小型のX3がそれに続き、2004年モデルとして2003年後半、北米に投入された。
インフィニティ・FXクロスオーバー車が認められると、米国では、エスクード市場は、ミニ・クロスオーバーSUV市場として、RAV4、CR-V市場はコンパクト・クロスオーバーSUV市場として、レクサスRXは、ミッドサイズ・エントリーレベルラグジュアリー・クロスオーバーSUV市場としてそれぞれのマーケット(市場)を確保した。
現在、日産ムラーノ、アキュラRDX、マツダ・CX-9、マツダ・CX-7、Lincoln MKX(2007年モデル)等々が続く。
1997年、スバル・フォレスターがステーションワゴンとSUVの融合という形で「クロスオーバー」を具現化。2001年には三菱・エアトレックがそれを追随するように登場。そして2006年、スズキ・SX4が「スポーツコンパクトとSUVのクロスオーバー」という形を提示した。
又、スバルは1995年よりレガシィツーリングワゴンをSUV風にアレンジした「レガシィグランドワゴン」(後の「レガシィランカスター」、現在の「スバル・アウトバック」)を販売。欧州におけるこの種のワゴンの隆盛の中心となり、後のクロスオーバーSUVの方向性を決定付けた。2000年代以降に地位を確立したクロスオーバーSUVの、直接の始祖―原点としても差し支えない存在である。
トヨタやレクサスなどの、販売台数に勝るクロスオーバーSUVも凌駕するその走行性能やユーティリティは、21世紀においても、アウトバックという共通名称で全世界で人気を博している。
(*1:販売開始年は米国系はモデルイヤーのものも含む。モデルイヤーとは通常前年度中に翌年モデルとして販売開始される。)
(*2:クロスオーバーSUVが米国由来のカテゴリーであるため、カテゴリーも米国の各車種の記事を参考にした。SUVというよりRVとして開発されたものにはRVとしている。)
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